4年前、札幌で演説中の当時の安倍総理にヤジを飛ばし、警察官に排除された男女が起こした裁判の二審。
札幌高裁は6月22日の判決で、男性の排除は適切だったとして、損害賠償を命じた一審の判決を取り消しました。
「帰れ!安倍帰れ!安倍やめろ!」
2019年7月、札幌で演説中だった当時の安倍総理に「安倍やめろ」などとヤジを飛ばし、警察官に排除された大杉雅栄さんと桃井希生さん。
2人は表現の自由の侵害で「精神的苦痛を受けた」として、道に損害賠償を求めていました。
一審の札幌地裁は「表現の自由の侵害で、違法と言わざるを得ない」として、道に88万円の賠償を命じる判決を言い渡し、道側が控訴していました。
22日の二審の判決で札幌高裁の大竹優子裁判長は、桃井さんの排除は一審と同じくすべて違法としました。
一方で、大杉さんの排除については「もめごとに発展する危険性が迫っていた。危害を加える意思がなかったとしても、排除は社会通念上妥当だった」として、一審判決の一部を取り消す判決を言い渡しました。
原告の大杉雅栄さん:「言葉が出ないです。あまり想定していなかったので」
道警は「判決内容を精査し、対応を検討いたします」とコメントしています。