【JR宗谷線で脱線】枕木むきだし&レール下の土砂“約46メートル崩壊”…普通列車が走行中に縦揺れし緊急停止_『雪解け水』の影響か「運転再開のめど立たず」9日以降は代行バス運行へ〈JR北海道〉

UHB北海道文化放送

北海道ニュースUHB TimeLine

 また脱線事故です。
 4月8日朝、JR宗谷線の普通列車が走行中に脱線しました。
 JR北海道は「雪解け水による」盛り土の崩壊の可能性もあると説明しています。
 レールの下の土砂が崩れ、車輪がはみ出した列車。
 レールと枕木が宙に浮いていることがわかります。
 8日午前6時40分ごろ、JR宗谷線・稚内行きの1両編成の列車が、中川町内の天塩中川―問寒別駅の間を走行していたところ、運転士が縦揺れを感じたため非常停止しました。
 車両を点検したところ列車がレールから脱線し、盛り土が約46メートルにわたって崩れていました。
 当時客はおらず運転士ら2人が乗っていましたが、ケガはありません。
 JR北海道は午後、緊急の記者会見を開き、脱線事故について謝罪しました。
 「安全の再生に向けて取り組んでいる最中このような脱線事故をお越してしまい、大変申し訳なく思っています」(JR北海道 島村 昭志 常務取締役)
 「(原因は)おそらく雪解け水と考えられる。雪解け水が土の中にしみこんで地盤が弱くなったと考えられるが、現地を調査してみないとはっきりしたものが申し上げられない」(JR北海道 島村常務)
 この影響でJRは宗谷線音威子府―稚内駅間の終日運転見合わせを決めていて、運転再開のめどは立っていません。
 また運輸安全委員会は午後、北海道に入り、当時の状況の聞き取りを始めました。
 JRを巡っては2024年11月、北海道南部の森町のJR函館線で貨物列車が脱線する事故が発生。
 脱線は踏切のレールが腐食したことが原因で、JR北海道はその後、北海道全域の踏切の緊急点検に追われてました。
 北海道内で相次ぐ、JR北海道の事故やトラブル。
 JRは復旧には最低でも1週間はかかるとしています。
 事故が起きたのは、旭川市と稚内市を結ぶJR宗谷線です。脱線した現場の写真をみると土砂が崩落し、レールを支える枕木がむき出しになっているのがわかります。
 線路は、列車を重みを分散させるため、レールの下に枕木、砂利などを入れた盛り土を敷いています。JR北海道はここに雪解け水が流れ込み、土砂が崩れたのではないかという見解を示しました。
 現場は7日午後10時25分ごろに列車が通過していて、異常はなく、明け方にかけて何らかの異常がおきたと考えられます。
 JR北海道は、過去に災害が起きた場所ではないため、すぐに対策しなければならない場所ではなかったとも説明しています。
 元JR東日本の社員で鉄道に詳しい専門家は、「列車巡回での発見は難しい。水の流れが詰まった場所は掃除、またはパイプを差し込んで流れを作る対策が必要」と指摘しています。
 運輸安全委員会は9日に現地調査に入り、詳しい事故の原因を調べることにしています。
 またJR北海道は9日はJR音威子府~稚内間は運休し、旭川市と稚内を結ぶ「代行バス」を運行することにしています。