「冬ウニ」はぷりっとした黄金色 夏が旬、だけど品薄狙って初出荷

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岩手名産のウニ。本来は夏が旬だが、この冬は沿岸各地でお目見えしている。エサとなる海藻類が少なくなる「磯焼け」対策に加え、品薄になる時期に出荷して収益を上げる狙いもあり、試行錯誤を重ねている。
やせたウニ増え「磯焼け」対策
 冷たい潮風が吹く久慈市の麦生(むぎょう)漁港で昨年12月20日、ウニが約430キロ水揚げされた。旬の時期以外にもウニを出荷しようと県が取り組む事業で、年末の出荷は初めてだ。
 銀の台の上に、水揚げされたばかりのウニがザザーッと広げられる。手際よく殻を開くと、ぷりっとした黄金色の身が付いている。「うん、いいね」。漁業者たちは顔を見合わせた。
 ウニの旬は6~8月ごろ。8月を過ぎると繁殖期に入り、食用部分がどろどろになる「身溶け」を起こすため売り物にならない。
 だが近年、全国的に磯焼けが起き、やせたウニが増えている。そこで県は昨年度から、「黄金のウニ収益力向上推進事業」を3年計画で始めた。沖合にいるウニを港湾内に移してエサを与え、身入りの良い状態にした後、年末など需要が高まる時期の販売を見据えている。
 ここ麦生漁港でも、兼業漁業者ら12人からなる南侍浜漁業研究会と市漁協が試験を繰り返し、昨年5~7月に約1トンのウニを漁港内に移してエサをやり始めた。ヒロ資源管理研究所の川崎光博所長を中心に、昆布やワカメの養殖ロープを漁港内に設置し、エサが行き渡るよう工夫を施した。
 普段は会社員をしている南侍浜漁業研究会の舛森清会長(56)は「この時期のウニといえば麦生だと、全国に知ってもらえるようにしたい」と話す。