金丸座の耐震工事、職人の卵が見学 現存国内最古の芝居小屋

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現存する国内最古の芝居小屋「旧金毘羅大芝居(金丸座)」=香川県琴平町=で、大地震に備える耐震補強工事が進められている。伝統建築を受け継ぐ貴重な技術にふれてもらおうと、町教育委員会は14日、地元の職人学校の生徒らを招いて研修見学会を開いた。
 金丸座は江戸末期の1835年建築で、国の重要文化財。昭和や平成にも修理を重ねてきたが、昨秋からは南海トラフ地震などの大規模地震でも人命を守れるよう、基礎や床、壁などを補強する工事が進む。来年3月に完了する予定。
 14日は、町内にある職人学校「匠(たくみ)の学舎(まなびや)」の生徒や先生ら計20人が、2グループに分かれて見学した。匠の学舎は中学卒業後に入学し、大工や左官などの実習を3年重ねて就職に結びつける職人養成機関だ。
 見学会では、伝統的な木造建築の修理を担う工務店の担当者らが、金丸座の内部を案内。重機を使わず手掘りで施工した地中梁(はり)などについて説明した。もともとの風合いや技術レベルに合わせてしっくい壁を塗るという左官の仕事ぶりなども間近に見ていた。
 実家が寺で、宮大工を目指しているという女子生徒の中村孔さん(15)は「日本特有の技や良さが出ていてすごいと思った。(見学できて)良い経験になると思う」と話した。
 金丸座は毎年春、「四国こんぴら歌舞伎大芝居」が開かれてきた舞台としても知られるが、コロナや耐震工事のため、昨年から開催できていない。町教委の担当者は「コロナもあって工事後は未定だが、一般公開の見学者やイベント時に安心して利用してもらえる環境を整えたい」としている。