和歌山・水管橋の崩落はなぜ 複数に腐食 鳥のフンの影響は?

朝日新聞社

朝日新聞デジタル

和歌山市で紀の川に架かる水管橋が崩れ落ち、その原因に注目が集まっている。橋のアーチと水道管をつなぐ「つり材」が破断しているのが見つかった。尾花正啓市長は、鳥のフンなどで腐食が進んだ可能性についても触れたが、原因はまだ特定できていない。専門家はどう見るのか。
 土木・建築工学が専門の神戸大学大学院の鍬田泰子准教授は、水管橋のつり材の腐食による破断が崩落につながった可能性を指摘した。「一カ所でもつり材が切断されれば、それによって設計時の荷重バランスが崩れる。ほかのつり材の破断にも影響し、衝撃的な崩壊につながると考えられる」と話した。
 市は毎月目視による点検をしているというが、鍬田准教授は「水管橋の点検は主に管路(水道管)の漏水がないかを中心に行われる。水管橋の構造全体としての維持管理という考え方が必要」と言う。「道路橋と比べると水管橋の点検路は狭く、アーチリブやつり材部分を確認することは難しい。確認できないところも新技術でフォローするなど、技術開発と点検の徹底が必要」
 原因については「台風や地震など、様々な要因から整理すべきだ」と述べた。
 鳥のフンが腐食の原因になる可能性はあるのか。
 防鳥ネット製造など鳥害対策に取り組む「エドバンコーポレーション」(東京)の土岐三樹夫さん(79)によると、海外では高速道路の崩落原因として、ハトのフンによる鉄骨の腐食の可能性が指摘された例もあるという。
 ただ、今回の崩落については「つり材付近は、橋脚台に比べて鳥が天敵から身を守りにくい部分で、営巣もしにくいと考えられる」として、鳥のフンの影響について懐疑的だ。
 都市部で鳥類が人間に与える問題などを研究している北海道教育大学函館校の三上修教授(鳥類学)は「鳥のフンで金属が腐食する可能性はある」と話す。実際に金属製の道路標識に鳥が巣を作って穴が開いたり、電柱の絶縁体にフンがたまって停電が発生したりしたケースがあるという。「ただし、巨大な橋が崩落する可能性があるかどうかまでは、詳しく調査しなければわからない」と話す。