馬で栄えた遠野、こども流鏑馬30回目 青空に響く「よう射たりや」

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岩手県遠野市の遠野郷八幡宮で毎年この時期に行われている「こどもスポーツ流鏑馬(やぶさめ)大会」が今年5月で30回目の節目を迎えた。秋には700年近い歴史を持つ遠野南部流鏑馬が行われており、こどもスポーツ流鏑馬大会には幼少のころから馬に親しんでもらう狙いがある。南部駒(馬)の生産が盛んだったことで「古くから馬で栄えてきた」といわれる遠野。子どもから大人まで馬に愛着を持つ文化が育まれている。
 今月5日、八幡宮にある馬場(芝生広場)に、黄色やオレンジ色、赤色など、色とりどりの装束に身を包んだ子どもたち18人が並んだ。この日は気持ちのいい晴天で、少し汗ばむほどの陽気の中、こどもスポーツ流鏑馬大会が行われた。
 矢で的を狙う人は「射手(いて)奉行」と呼ばれる。同奉行が引き馬にまたがり、馬の歩く速さで三つの的を順番に狙っていく。
 「大人版」の流鏑馬とは違い、馬は走らない。子どもたちは、弓に矢をつがえるのが間に合わないこともあったが、次々と的に当てていた。
 命中すると、馬場の横に並んだ「介添(かいぞえ)奉行」の3人が声を合わせて「よう射たりや!」と叫んだ。「上手に的に当てたね」という意味をこめた言葉だ。この介添奉行は、南部流鏑馬の伝統的な形だという。
 この日は射手奉行を小学1年~中学1年の男女15人が担った。介添奉行も男女ともなれるが、今回は幼稚園児の女子3人が務めた。