讃岐うどんのお供に巨大アスパラ 最長50センチ

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讃岐うどん店に並ぶトッピングの天ぷらに、毎年春に顔を出す人気食材がある。最長で50センチにもなる香川県特産の巨大アスパラガス「さぬきのめざめ」だ。
 3月上旬、高松市の井上修一さん(65)のアスパラ農場を訪ねた。
 「こうやって味を確かめます」。畑から切り取ったばかりの茎を、井上さんは丸かじりした。「一日で10~15センチほど伸びることもあります。毎朝採らないとすぐ伸びる」
 記者も生で食べてみた。水分量が多く、しゃきしゃきとした食感。太く長くなっても、根元まで甘くて柔らかいのが特長だという。
 さぬきのめざめは、香川県農業試験場が開発し、2005年に品種登録された。通常の品種より1週間~1カ月ほど芽が出るのが早いことから、「めざめ」と名づけたという。
 県のオリジナル品種のため、当面は県内のみで栽培される。現在の栽培面積は約54ヘクタールに上る。
 収穫期は2月から10月ごろまでと長いが、井上さんのおすすめは、2~4月に採れる「春芽」だという。「冬の間に蓄えた養分で甘いアスパラになります」。夏に採れるものも、春の間に伸びた茎や葉の光合成で得た養分で育ち、春よりもさっぱりとした味わいを楽しめるという。
 食べ応えがあって、甘くてみずみずしい、魅力たっぷりのさぬきのめざめ。スーパーに並び、香川県民にはおなじみだが、県外のシェフの間でも食材として重宝されているという。
 高松市では8年前から毎年春、アスパラ料理を集めた収穫祭「アスパラ大騒ぎ」が開かれている。
 発起人の一人で、県内外の料理人とも交流がある国見香須子さん(55)は「アスパラは前菜からメイン、デザートにもなる」と、その多用途な魅力を語る。収穫祭の会場には、十数軒の飲食ブースや直売所が並び、今年も4月下旬に高松市の中央公園で催される予定だ。
 「大騒ぎ」に出店したこともある、高松市の香川料理店「おきる」では、さぬきのめざめを使ったメニューを出している。
 記者が振る舞ってもらったのは「県産アスパラガスと綾川町の菜種油」。大きなアスパラ1本を丸ごと菜種油につけ、袋に入れて70度のお湯で10分間加熱する。柔らかくなったアスパラに、瀬戸内海の豊島産の塩をつけていただいた。
 生のアスパラより甘みや柔らかさが引き立ち、素材の味を存分に楽しめた。店主の小島康文さん(50)は「産地なので採れたてのアスパラを使える。油でコーティングされているから、畑で吸った水分も抜けにくいんです」と話す。
 家庭で料理をする場合は、刻んで焼きそばやチャーハンに入れるなど、炒め物のアクセントに最適という。
 〈おきる〉 地元食材を使った「香川県料理」のコースがある。「県産アスパラガスと綾川町の菜種油」は6月ごろまでコース料理の一つとして提供。完全予約制で3500円から。高松市福田町13の5。午後5時半~。不定休。電話087・851・6545。