さすらいの「家なき」ラガーマン、失敗もさらけ出し共感

朝日新聞社

朝日新聞デジタル

 新型コロナウイルスの感染拡大で、スポーツの大会、試合が軒並み中止、延期になっている。練習すら制限される中、できることを模索する選手たちの「いま」をオンライン取材などを通じ、紹介する。
 7人制ラグビー日本男子代表の林大成(27)は兵庫県内で一人、練習を続けている。壁相手のパス、人のいない広場でのステップ。筋力トレーニングはできないが、「向上できる部分をあげていく」と前向きだ。
 所属先がなく、家も持たない。兵庫県内で活動するのは、決まった拠点がない中で練習環境がある程度整っているからという。林の独特な生き方はラグビー界のみならず、五輪を目指すアスリートの中で異色。ただ、よく聞くと、考えは理にかなっている。
 強豪の大阪・東海大仰星高、東海大で主将を務め、トップリーグのキヤノンに進んだ。しかし、2018年に3年間在籍した会社を辞め、日本協会と契約。15人制や仕事と両立するより、プロとして7人制に特化した方が「東京オリンピック(五輪)でメダル獲得」という目標に近づけると判断したからだ。惰性で物事を進めるのが苦手な性分。待遇は悪くなっても「やりたいことをやる」というスタイルを貫いた。
 7人制代表の合宿や遠征は年200日を超える。大半の選手は残りの時間を所属先で過ごすが、林は持ち味のステップワークをより高めるため、昨年6月から「全国ステップチャレンジ」と銘打って、SNSで練習相手を募りながら日本全国を回っている。
 身軽に動けるよう、持ち物はスーツケースだけ。「行った先で泊まれば、帰宅時間をなくせる。効率がいい」と割り切っている。