「日本一太い」マツ、枯死で伐採 バイオリンに転生?

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「日本一太い」マツとして知られた山形県最上町東法田の大アカマツが10日、伐採された。幹回り8・56メートルで、推定樹齢は600年。地元では氏神や神木として守り育てられてきた巨木だ。2年前に「枯死」と診断され、倒木などが懸念されていた。
 午前9時20分ごろ、山の中腹からチェーンソーの音が響き始めた。作業員の声や、合図に使う笛の音も聞こえる。30分ほど経つと、大アカマツはゆっくりと傾き、斜面をはねるように滑り落ちた。
 「無事に終えられてほっとした」。伐採作業にあたった地元・後藤造園の後藤一男さん(74)は安堵(あんど)の表情を見せた。
 1993年に「日本一」と認定され、県天然記念物に指定された大アカマツを管理してきた。3年前から葉が変色し始めると、樹木医の指導も受けながら回復に努めた。「600年、大地に根を張り、地域を守ってくれた。町民として感謝したい」と話した。
 町は伐採した木でバイオリンなどの楽器をつくろうと計画している。
 指導するのは、木の楽器づくりで町と交流する高知県の「木と音の会」代表、泉谷貴彦さん(63)。この日の伐採に立ち会った。
 「木が土ぼこりを立てながら落ちる姿を見たとき、一つの役割が終わったんだなと切なくなった。でも、木の中はしっかりしていて、いい楽器ができると思う」と話した。「子どもたちと一緒に木を削り、磨き、楽器をつくりたい。木の香りを感じ、木目に触れてほしい」と望んでいる。