船が転覆、スクリューにつかまり22時間漂流 海保「奇跡的」な救助

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鹿児島県・屋久島沖で小型船が転覆し、乗っていた男性(69)が28日、鹿児島海上保安部に無事救助された。荒れた冬の海に投げ出されて1日近くたっていた。転覆した船のスクリューにつかまって漂流していたとみられ、海保の担当者は「無事だったのは奇跡的だ」と話している。救助の様子を収めた動画を鹿児島海保が公開した。
 海保によると、27日午後5時40分ごろ、屋久島の南海上で、「屋久島に戻る途中だった1人乗りの作業船が転覆した」と男性の知り合いの工事関係者から118番通報が入った。転覆したのは作業船、第五孝丸(たかまる)。船長の男性は知人に転覆を知らせる電話をした後、連絡がとれなくなった。
 鹿児島海保などが捜索したところ、28日午後3時10分ごろ、巡視船さつまが屋久島の南東30キロ沖で、転覆した船にしがみついている男性を発見。さつまの警備救難艇が近づき、潜水士が海に飛び込んで男性を救助した。当時は10メートルの風が吹き、うねりは3メートル。海水温は22~23度だった。通報からは約22時間たっていた。
 発見時、男性は転覆した船に立ってスクリューを両手でつかんでおり、体にはシートのようなものをまとっていた。体全体が水につかっておらず、海保の担当者は「体温低下を防げたことが大きかったのではないか。年齢から考えても信じられない」と話した。
 男性は病院に運ばれたが命に別条はないという。