秋田臨海鉄道の運転台へ 高校生「最後に自分で別れを」

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3月に事業を終えた秋田臨海鉄道(秋田市)で、ラストランにも使われたディーゼル機関車の運転体験会が1、2の両日開かれた。中学、高校生を中心に12~65歳の計32人が順番に運転台に座り、300メートルの区間を何度も往復した。
 体験会は、同社の志水仁社長が「次世代にも多くの人たちの記憶に残る鉄道であってほしい」と企画。普段は見られない施設の見学もできるようにした。参加費は2万5千円と高額なうえ、秋田県民限定の募集だったにもかかわらず、定員の約2・5倍の応募があるほどの人気ぶりだった。
 使われたディーゼル機関車は、国鉄時代の1981年にDE15型として製造、釧路機関区に配置された。秋田臨海鉄道にはDE10型に改造されて2016年にやってきて、主力として貨物を運び続けた。
 参加者は、機関士からアクセルにあたるマスコンやブレーキの操作方法を教えてもらったあと、実際に運転。最初はブレーキが利きすぎたり、所定の位置で止まれなかったりしたが、次第にスムーズに運転できるようになった。
 ラストランも見守ったという秋田市の高校1年、米川和豊さん(15)はお小遣いから参加費を払って参加した。「小さいころ臨海鉄道を見て、鉄道が好きになった。最後に自分で運転してお別れしたかった」と名残を惜しんだ。
 同社は1970年に県、国鉄、関係企業が設立し、JR貨物と連携して秋田港周辺の事業所の貨物を運んできた。だが産業構造の変化やトラック輸送の増加を背景に72年度の67万トンをピークに扱い量が減り、3月末に事業を終えた。