警笛直後に衝撃、ほこり充満、窓割り外へ 台湾脱線事故

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台湾東部の花蓮県で2日に起きた特急列車「タロコ号」(8両編成)の脱線事故で、負傷した乗客の台湾人男性(55)が朝日新聞の取材に応じ、事故前後の状況を語った。
 男性は2日から始まった清明節の4連休を利用して、家族4人で台東に墓参りに向かうためにタロコ号の前から2両目に乗車。男性によると、列車の警笛が聞こえた直後に衝撃があり、トンネル内で列車が止まって車内は停電した。男性はほこりが車内に充満したため火事だと感じ、窓を割って車外に出た。乗客たちは助け合いながら避難していたという。
「先頭車両の乗客はほとんど・・・」
 事故では4両目までがトンネル内で脱線。男性は車外に脱出した後、3両目が転覆している姿に衝撃を受けたという。また、先頭車両から脱出してきた乗客2人が、「自分たちの車両の乗客はほとんど亡くなっただろう」と話しているのを聞いた。男性は「脱線の状況を見て、たくさんの犠牲者が出たに違いないと思った」と振り返った。
 当局の対策本部によると、列車は先頭車両の運転席部分がひしゃげるほどの衝撃を受け、乗客と乗員の計50人が死亡し、146人が病院で治療をうけた。コロナ禍で海外旅行が制限されるなか、連休に台湾内で行楽や帰省を楽しもうとした家族連れが被害に遭った。けが人の運ばれた病院が発表した負傷者リストには、乳幼児や小中学生が多くみられた。(花蓮県=石田耕一郎)