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※ 視聴回数は1日1回更新されます。 祇園祭の「武者行列」が復活。父の思いを託された大役の晴れ姿を取材しました。
7月17日午後6時ごろ、凛々しい鎧武者が京都の街を行きます。八坂神社の神様を乗せた「神輿渡御」(みこしとぎょ)を守るための「武者行列」。
祇園祭で実に51年ぶりの復活です。そのわけは…
(大将役の父 山中信寛さん(71))「鎧の修理ができないのと、金銭面が滞ってしまった」
鎧の維持費用がかさみ、1974年を最後に武者行列はできなくなっていました。
復活の行列で主役の大将を任された山中秀起さん(36)は代々の大将役の子孫です。
ただ、秀起さんの父・信寛さんは大将役を務めたことが無いまま51年間中断されていました。
(大将役の父 山中信寛さん)「歯がゆさもありましたし、この約50年間モヤモヤした気持ちがずっとありました」
信寛さんの祖父、喜多内進吉さんが断腸の思いで中止を決め、父の亮二さんが復活を目指すもかなわず。
しかし3年前、京都の鎧師が修理を申し出、寄付や企業の協賛などを得て今年、大将の鎧が蘇ったのです。
信寛さんの悲願が叶いましたが、厳しい暑さと年齢を考慮し、大将役は息子・秀起さんに託されました。
(大将役の父 山中信寛さん)「やっぱり(大将の鎧を)着たかったなというのがありますけれど、彼に託します」
(大将役 山中秀起さん)「自分の祖父や曾祖父、経験した人と時を超えて自分も同じ気持ちになれる。すごくありがたい。精いっぱい頑張ってくるよというような感じ」
そして迎えた7月17日。先祖から受け継いだ鎧を秀起さんが身に着けました。
ついに出発のとき。51年ぶりに武者行列、堂々見参です。
祇園の町を行く息子の晴れ姿に父・信寛さんはー
(大将役の父 山中信寛さん)「何かモヤモヤしていたんですよ、50年間。それが息子が出るということで一気に晴れた。涙が出そうです」
先祖の遺志を受け継いだ、若き大将。長い祇園祭の歴史に“新たな一歩”を刻みました。