化学物質過敏症 柔軟剤などで頭痛や吐き気

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日テレNEWS24

誰でも発症する可能性がある“化学物質過敏症”。柔軟剤、食品添加物、シャンプー、整髪料など、身の回りの化学物質に過敏に反応。職場でも、防毒マスクをつけて仕事。化学物質のにおいがついた家を捨て、家族からも孤立…。
患者の家族「もう意味わからんし」
化学物質過敏症支援者「意味わからんでしょ、そうだと思う、医者だってわからん」
症状は多種多様。ある日突然やってきます。頭痛、うつ状態や不眠、鼻血、下痢、動悸(どうき)など人によって違います。
そよ風クリニック・宮田幹夫院長「治療法は養生ですね。特効薬はないです」
予備軍も含めると、全国の約13人に1人が発症する可能性があります。化学物質過敏症で小学校に通えない3年生のあかねさん。妹のゆりあちゃん、母・純怜さんも化学物質過敏症。
あかねさん「苦しいよね(マスク)4重は苦しい」
母・純怜さん「でもしないとどうなるの?」
あかねさん「頭が痛くなる、しんどくなる、熱が出たり」
いま、友達はペットたちだけ。
父は家の中だけで過ごす我が子を心配して郊外の公園に連れ出します。出かけるのは、人が少なくなる夕暮れ…他の子どもたちの衣類からは、においがするからです。
活発だったあかねさん。2年生のとき、持ち回りで着る給食着についた柔軟剤の香りで頭が痛いと言い出しました。
母・純怜さん「頭が痛い、頭が痛いといって、いつも目の下にクマができて、しんどい、しんどいって言って帰ってくるんですよ」
いまは、学校を休んで自宅での勉強が続いています。プリントは1回インクのニオイを飛ばします。
母・純怜さん「人との関わりが出来なくなったことが結構つらかったですね。代わってあげられないですし…」
学校側は、特別支援学級として空き教室を用意。エアコン2台、空気清浄機4台を設置しました。
しかし…
父・智彦さん「頭痛い?やっぱり痛い」
あかねさん「うん、エーン、エーン」
父・智彦さん「ごめんね」「難しいなー」
学校側は教室のリフォームを決めました。自身も過敏症患者の建築家、足立さんに設計をお願いし、アルミ箔(はく)を挟んだ、特殊な壁紙を使い化学物質を遮断。あかねさんは、完成した教室へ。
父・智彦さん「ここまで作ってくれたんだよ」
マスクを外してみると―
母・純怜さん「喉の痛みとかない?」
あかねさん「ない」
母・純怜さん「よかったねー」
父・智彦さん「化学物質さえなければ、普通の子どもなんですよね」
母・純怜さん「こんな笑顔で…」「うれしいです。みんなのおかげで」
友達と遊びたいけど遊べない。その気持ちをみんなに知ってもらおうとポスターを作りました。柔軟剤の香りが苦手…わかってほしい。
あかねさん「私の願い、みんなといっしょにあそぶこと」
※2019年2月、テレビ金沢で制作したものをリメイク
【the SOCIAL×NNNドキュメントより】