IT社長 父の遺志継ぎ、ゆずで村おこし

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年商100億円超えの“IT社長”が、自殺をした父から“託された夢”。
母・示子さん「『ゆずが黄色くなったら黄金できれいだろ。お父さんはね、黄金の村を作りたい』って話をしてたのよ」
その夢はふるさとの特産、ゆずを生かした村おこし。藤田恭嗣さん(42)、猪突猛進型です。漫画のネット配信などを、手掛ける会社の社長。
恭嗣さん「お金なんか、なきゃ集めりゃいいだけの話だから」
父、堅太郎さんはふるさとの村を水没から守るため、ダム建設の中止を訴えていました。毎日のように自宅にかかってきた嫌がらせの電話…。議会での厳しい追及。父は心労から命を絶ちました。
その頃、恭嗣さんは携帯電話の販売会社を立ち上げていました。父の遺書は、妻と娘と母宛て…。
「死をもって、おわびしなければならない」
最後に…。恭嗣、がんばれと書いてありました。
示子さん「(電話で)お母さん大丈夫?お母さん大丈夫?って」
恭嗣さん「僕が母さんにおやじが死んだときに、『こっちに帰ってこようかな?』って言った時に『あなたが今帰ってきて何ができるの?』って叱られたんだよね」
示子さん「あなたはあなたのやりたいことをやりなさい」
父が自ら命を絶った後(2000年)、ダム建設は中止となりました。
恭嗣さん「父ちゃんがね、(ダム中止を)一番聞きたかっただろうね」
そして父が残した資料には、村のゆずを生かした、振興策が。
「このゆずの独特の香り・風味から、嗜好(しこう)食品としては相当価値があり将来の本村の産業としてはうってつけのものではないかと思う」
企業家として力をつけた恭嗣さんは父の夢に向け、まずふるさとに工場を作りました。看板商品は、木頭ゆずの一番しぼり。村に伝わる手しぼり機で1個1個丁寧にしぼるのがこだわりです。東京に戻ると、社長自らトップ営業。
恭嗣さん「ゆずのハンドソープ。ゆずのアロママッサージオイルとか」
黄金の村へ向け、ゆずをテーマにしたカフェをオープンする予定です。
恭嗣さん「絶景のカフェを作りたいですね」
父が命をかけて守った、あの清流のほとりに。
恭嗣さん「お?真っ黄色やな」
ふるさと木頭では、ゆずを扱う人たちが増えて、村中に広がりつつあります。本当に黄金の村になるかもしれません…
「(親父たちが)命がけで守った村だから、命がけで守った自然だから、その遺志を継いで守らなきゃいけないっていうところが僕のエンジンなんだよね」
母は実家の表札の主を最近替えました。家の主は恭嗣。
※2016年5月、四国放送で制作したものをリメイク