宿泊で支援 タイの人気コテージは孤児院

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人気コテージは孤児院。猫もいます。
タイ・チェンマイの中心地から車で1時間弱。ホシハナ・ヴィレッジはリピーターや長期滞在する人も多く、この日は満室。運営するのは隣接する孤児院“バーンロムサイ”。現在、3歳から18歳まで、30人の孤児が暮らしています。設立したのは日本人の名取さん親子。
20年前、タイでの死因の第1位はエイズでした。HIV母子感染した子どもたちを、名取さんがなんとかしたいと保護したのが始まりです。
名取美穂さん「子どもたちにとって体力をつけるのは大事だと、地元のプールに通い始めた。でもやっぱり、湿疹ができたり“エイズの子たち”といわれて差別を受けて追い出された」
それを知った“ジョルジオ・アルマーニ”が孤児院にプールを寄付。子どもたちだけで使うには広すぎるほどのプールは有名になりました。すると、支援する人が他にもあらわれ、ホテルとして活用できるようにと、プールの脇にコテージを寄付。さらに寄付は続き、現在14室の宿泊施設と、自由に使えるスペース、レストランなどができました。宿泊料には孤児院への寄付が含まれています。宿泊客の中には見学を希望する人も。
子どもと来た宿泊客「自分も子どもがいるので比べてしまう。どう声をかけたらいいか難しい」
3度目の宿泊客「(来るたび)毎回子どもが成長している。彼らの笑顔が見たくて(来ている)」
現在HIVに感染している子どもはわずかになりましたが、麻薬や犯罪により、親と暮らせない子どもや迫害されている少数民族の子どもが多くなりました。孤児院には図書館も寄付され、現在は近くの子どもたちも孤児院に来るようになりました。
ホテル自体は、卒園した子どもたちが働く場所となっています。就職や進学において差別がいまだ残るタイでは、卒園後の就労が一番の課題です。孤児院には就業支援のための縫製場もあり、ここで作られた商品はホテル内のショップで販売、貴重な収入源となっています。
敷地内を自由にうろつく猫は保護猫で、名物の1つ。猫に会いにくるリピーターも増えています。孤児院が運営しているからといって、ホテルとしての手抜きは一切ありません。
名取美穂さん「リゾートで過ごすのは素敵なこと。それに罪悪感もなく、お金を払うことによって自然に支援されるような社会になればいいなと思う」