「ホワイトタイガーやめます」動物園の思い

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日テレNEWS24

「今後ホワイトタイガーは飼育しません」――この看板を設置したのは福岡県にある「大牟田市動物園」。看板の理由を動物園に聞いてみると様々な問題が見えてきました。
大牟田市動物園で飼育されているメスのホワイティ。彼女の眼球は内側に寄ってしまっています。実はほとんどのホワイトタイガーは斜視や関節の異常など、生まれつき病気を抱えていて、個体によっては長生きできないといいます。何が原因なのでしょうか?
そもそも“ホワイトタイガー”という種は存在せず、ベンガルトラの中で体毛が白くなる遺伝子を持つのがホワイトタイガーです。日本におけるホワイトタイガーの繁殖は、数も少なく良い相手を見つけることが難しいため、やむを得ず兄妹や親子を交配させているのが現状。こうした不自然な交配を繰り返すことで、病気をもって生まれてくる個体が増えてしまったといいます。
さらにホワイトタイガーが増えると、園内にあるトラの飼育スペースをホワイトタイガーに割くことなり、新たに普通のトラを飼育するスペースも少なくなってしまいます。これは絶滅が危惧されるトラを保全することに矛盾してしまう――そう考えた大牟田市動物園はホワイティ以外のホワイトタイガーを新たに飼育しないと決めたのです。
大牟田市動物園・冨澤奏子さん「ホワイティが生きている時になぜこんなことを書く必要があるのかと言われたりもしたんですが、当園としては生きている時に出すことに意義があると思っていますので、これを機会に正しい理解が深まっていけばと思っております」
ホワイティが少しでも長生きできるように大切に飼育していくということです。