全盲の天才ドラム少年、母の日に込めた思い

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日テレNEWS24

目の見えない天才ドラム少年として注目されている酒井響希くん。次の大きな目標は、オリンピックやパラリンピックの開会式でドラムの演奏をすることです。そんな響希くんが母の日、お母さんに内緒で「あること」をしました。
光のない世界で、ドラムを奏でる少年、酒井響希くん。2歳の時、がんで両目を摘出しました。
母・康子さん「真っ暗闇の中で一生過ごさないといけないって。それやったら、もう死なせてあげたほうがいいじゃないかとか」
父・健太郎さん「絶望と不安しかない。(妻は)響希を外に出すのも拒んで」
塞ぎ込む母に、術後半年の響くんが口にした言葉は――
康子さん「ママもう泣かんでいいよって、僕もうなんでもできるからなって、泣かんでいいって」
そして、3歳で出会った生きる希望。憧れのDef Techとの約束。
Microさん「4年後待ってるよ。Def Techバンドで」
響希くん「明確な夢を持てなかった僕に、夢をあたえてくれた大親友です」
そしてかなえた、夢――
響希くん「ママ、今まで僕を育ててくれてありがとう。僕は僕に生まれてきて良かったです。ママもう泣かんといてな」
そして、響希くん、成長のつづき。ドラムだけでなく、興味のあることを積極的に取り組んでいる響希くん。お母さんと特訓を続け、1か月で自転車に乗れるようになりました。
響希くん「いろんな事できるようになったけど、やっぱりお母さんがいてもらわないと困ることもたくさんあります。学校の登下校とか」
以前は、お母さんの支えがないと外で歩くことができませんでしたが、今では演奏依頼も来るようになりました。将来、オリンピックやパラリンピックの開会式でドラムの演奏をすることが、次の大きな目標です。
母の日。お母さんに内緒でプレゼントをすることに。花屋さんで、いい匂いがするゼラニウムの花を選びました。
響希くん「母の日おめでとう」「いい匂いするやつ入れてもらった」
康子さん「どれやろ?」
響希くん「ゼラニウムっていうやつ」「ママ、あと手紙を書いてきた」「読むで」
響希くん「(点字をたどりながら)ママへいつもありがとう。僕が生まれて12年が経ちました。ママのおかげでこんなに成長することができました。振り返ると、たくさんの思い出があるね。一番印象的なのは、幼稚園からの学校の送り迎えをしてくれたこと、ママが39度の高熱を出していても、しんどい顔をひとつすることなく、送り迎えをしてくれて、僕は一生忘れないよ。お父さん、仕事いつもありがとう。みーちゃん、りー、ママは僕にかかりきりになっていて、さみしい思いをした時もあったと思います。本当にごめんね、本当にありがとう。これから僕は中学生になって1人でやらなきゃいけないことがあると思う。ママは本当は心配だと思うけど、僕はもう大丈夫だから、心配しないでね。僕は1人で生きる力をつけられるように頑張るからね、これからもよろしくね、ママ大好きだよ」