乳がん手術前に自分の胸ありのままを写真に

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日テレNEWS24

乳がん手術の前に「生きるための決意」を写真に収める。自身も乳がんを経験した女性が東京・港区にフォトスタジオを立ち上げました。そこには手術前の不安を共有し、前を向く女性の姿がありました。
スタッフ「ぐっとこっち向けますか?」
矢口聖子さんは、今年4月に乳がんが見つかり、翌週に手術を控えていました。この日、手術前の自分の胸を写真に残したいと専用スタジオにやってきました。
スタッフ「手術はどちら側になりますか?」
矢口さん「左側の乳房になります」
スタッフ「私も一緒です。一緒、一緒」
撮影するスタッフも、乳がんを経験した人たちです。お互いの経験を話したり、共感する話にうなずきながら撮影の準備が進みます。矢口さんは、左胸の全摘出という診断を受け、何かかたちに“残したい”と考えていました。
矢口さん「今、左胸触っているんですけど、月曜日になったらこの子(胸)いなくなるなって思って。よし、一緒に撮るぞ」
ポーズや衣装を変えながら、がんになってから着用しているウィッグでも撮影。自分の胸のありのままを、写真に残していきます。約4時間の撮影を終えると…
スタッフ「笑顔で帰ってください」
矢口さん「(手術後)良い報告をさせてください。うれしい、ありがとうございます」
矢口さん「こんな貴重な体験、本当にありがたいです。気持ちわかってくださる方に撮影していただけるなんて、なかなかないので本当にありがとうございます」
自分の左胸と“別れ”生きる決意をした矢口さん。
スタッフ「みんなついてる。大丈夫」
このとき撮影した写真が、手術後の今、矢口さんを勇気づけてくれているといいます。
矢口さん「(胸が)なくなっちゃうの、ちょっと寂しいのかなとか思ったんですけど(写真に)残せたっていうことが卒業しても大丈夫って思えるきっかけになれたので本当によかったです」
乳がん患者のための専用の撮影スタジオを立ち上げた岸あさこさん。自身も乳がんを経験しています。
岸さん「私たちも同じ経験をしてきて、同じ仲間っていう感覚もあるんですよ。そういうあったかい空間の中で撮影できた方が、きっとこれから手術を受ける方にとっても気持ちが和らぐと思う」
岸さんも手術前、不安と孤独のなか自分の胸をスマートフォンで撮影しました。同じような気持ちを抱える人たちをサポートしたいとスタジオを立ち上げました。
岸さん「そういった経験者を目の前にして、今日写真を撮ったりっていうことが力になったり、治療終わった後もこんな風に元気にやっている人がいるっていうことを、知っていただければ本当にうれしいです」