トウモロコシが材料“きみがらスリッパ”

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かつては捨てられていたトウモロコシの皮でつくる、きみがらスリッパ。「きみ」はトウモロコシ、「がら」は皮のこと。食べられない部分を無駄なく使った青森十和田の伝統工芸品です。約70年の歴史があり作り手の高齢化や後継者不足が課題でしたが、20代の若者が多数、伝統の技を学んでいました。
青森県伝統工芸士の古舘よしえさん「うれしいです、若い人が覚えてくれると」
学んでいるのは地元ホテルのスタッフたち。普段はホテルの中で接客業務にあたります。彼らがきみがらスリッパを作る理由は、きみがらを使った工芸品の製作体験を宿泊客へ提供するサービスを始めるため。
東京出身の八角明日香さんは新卒でホテルに入社。地方の文化に興味があり志望しました。レストランやフロントなどでの接客業務だけでなくねぶた祭りのショーにも出演。祭りばやしを披露します。トウモロコシ作りも担い、青森の文化をどんどん吸収中です。
初めて作ったスリッパについて…
八角さん「ちょっと不格好ですけど履けるスリッパが出来てよかったです」「技術を習得してお客様にも伝えられたらいいなと思います」
同じく社会人1年目の庄司紀大さんは宮城県出身。
庄司さん「楽しいですねやっぱりできると」
ホテルに戻ると太鼓奏者に早変わり。
庄司さん「発見というか青森県の魅力がわかっていくので、そこがおもしろいところ」
青森の文化を知ってもらうのも宿の売りのひとつです。ホテルの敷地内で馬を飼育。馬の飼料用にトウモロコシも栽培。ここで収穫した皮で工芸品をつくる予定です。今ではあまり見られなくなった青森の原風景を目指しています。
十和田きみがらスリッパ生産組合はこの企画に協力。マンツーマンで技術を伝授します。
古舘さん「若い人は覚えるのも早いし楽しみです。一緒にやっていくのが」
新井瑠莉さん「順番に織っていくのが難しいです。1つ飛ばしちゃったりすると全部ずれちゃうので」
大きさが異なるきみがらを細く裂き丁寧に手で編んでいきます。時には色付けを行うことも。ベテランでも1日1足仕上げるのがやっとだという手間暇がかかる作業。
宮本桂子組合長「一般で一生懸命募集してもなかなか入ってもらえないし、入ってもできないうちにやめていってしまうことも多いので、若い人達が一所懸命やってくれるし盛り上げてくれることは良いことかなと思います」
冬はあたたかく夏はすずしい、軽くてやわらかい履き心地のきみがらスリッパ。道の駅とわだ「とわだぴあ」で販売。道の駅では手作り体験や製作実演も行っています。