ブラインドランナー 50センチの温もり

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日テレNEWS24

道下美里さんは目に障害がある“ブラインドランナー”。伴走者とのロープを頼りに42.195キロを走り抜きます。
伴走者の樋口敬洋さん「間もなく40キロ地点です。相当貯金あるよ、いいよ」
ブラインドマラソンで日本記録の更新を目指していました。美里さんの目の代わりになる伴走者はかけがえのない存在です。
樋口さん「残り10メートル!オッケーゴール」
日本記録を更新!
美里さんは後天的に発症していく目の病気で29歳でほとんど視力を失いました。
美里さん「私がいることで本当、いろんな人が迷惑じゃないかなとか、自分の存在さえも否定してしまいたいぐらいの気持ちになったことはありますね」
晴れた日や明るい場所では、ほとんど見えません。
ダイエットで始めたランニング。その後すぐに、障害者の陸上大会に出場。
母・千代子さん「美里6周目、半分きたよ。がんばって、ファイト、ファイト」
800メートルと1500メートルで日本記録を更新しました。
父・哲男さん「陸上をやり始めて、ぐるっと変わったというか人間が」
美里さん「家のことはできなかったので。できることといったら、明るい話題を家に運ぶくらいかなと」
フルマラソン2回目の挑戦。自分の目となって走ってくれる伴走者を引き受けてくれたのは、十河義典さん。大会前日、入念にコースを下見していました。ブラインドマラソンは障害の程度によって部門が分かれ、美里さんは2番目に重い部門。
十河さん「はい、給水取ります。コップ見ながらゆっくりでいいよ」
28キロ付近、きのう出会った地元の人たちが美里さんを待っていました。
十河さん「よし、力をもらった。がんばろう!」
41キロ付近では、姉の貴代美さんが待っていました。
貴代美さん「美里ファイト、がんばれ、あと少し」
初めての優勝。3時間26分44秒。自己記録を10分更新しました。
美里さん「十河さんのおかげです」
十河さん「無理やり動かさせたからね」
美里さん「何回も何回も声をかけてくれて、あーお父さん!良かったゴール着けて」
父・哲男さん「良かった、よくがんばった。まさかと思った」
目の役割を果たした十河さんは…
十河さん「自分が走って人に喜んでもらえることが、伴走をしていてすごく良かったと、今日ゴールしてつくづく思いました」
走ることで、自分と伴走者の人生も切りひらく、美里さん。ロープから伝わる伴走者の力を借り、きょうも走り続けます。
※2014年2月、山口放送で制作したものをリメイク