立ち飲みできる活版印刷所に行ってみた

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日テレNEWS24

東京・墨田区にある、“昼と夜で別の顔”になる町工場が話題となっています。夜な夜な人が集まる印刷所――いったいどういう場所なのか、取材しました。
2月、東京・森下にオープンした活版印刷所。日中は印刷作業を行い、夜はスペースを有効利用し、立ち飲み中心の居酒屋になります。
この不思議な空間を作ったのは、印刷会社を脱サラした活版印刷が大好きな2人の若者、佐藤さんと宍戸さんです。佐藤さんは活版印刷の魅力をこう語ります。
佐藤さん「風合いですかね、凹凸感とか。デジタルでは表せないですし、そこが魅力なんじゃないですかね」
文字などを彫った板にインクを塗り、紙を押し当てて写す活版印刷。国内での需要は失われつつあります。その魅力を身近で感じてもらうきっかけ作りとして、活版印刷と立ち飲みの組み合わせが生まれました。宍戸さんは「ただ活版印刷やるだけでは入りづらい。立ち飲みだったらふらっと入れるかなって」と話します。
閉鎖的な空間になりがちな印刷所ですが、活版印刷を知ってもらいたい思いから開放的な作りにしました。無機質な建物に囲まれる中、かなり目立ちます。実はこれが夜、立ち飲みに変わることで、意外な効果を生みだしていました。
この地域で25年過ごす常連客は、周辺の状況を「見渡すと全部マンションなんですよ」と話します。お店がある墨田区周辺は急速に人口が増加中で、多くのマンションが建設される一方、人々が気軽に集まれる場が減ったといいます。
常連客「こういうオープンなスペースができたってことは、非常にありがたい。うれしいことですよ」
客「我々は単身赴任で実は来てて。色々つながりができれば良いなと」
活版印刷を知ってもらうための空間作りが、地元住民だけでなく様々な人々を受け入れた新たなコミュニティーを生みつつあります。