かに一番漁~親子をつなぐ操業日誌~

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カニのトップブランド、越前がにの漁で地元の水揚げトップを誇る共栄丸の船長、五島精一さん。
精一さん「それぐらい考えて仕事をしろ!いい加減に」
そんな父の背中を追うのは、息子の嘉文さんです。
嘉文さん「ずっと目標でした、あの人は。追いつけるか不安になる」
一度は大学に通うものの、漁師以外の目標を見つけられず、父の船に乗ることを決意します。2人が追い求めるのは、最高級の越前がに。30年以上、水揚げトップを走ってきた精一さんの栄光を支えてきたのは、使い込まれた「操業日誌」です。いつ・どこでカニがとれたかなど、35年間の操業が詳しく書き込まれています。
解禁日。カニがどれだけとれるかは、船長の腕にかかっています。解禁を告げる合図とともに、網を沈めます。1時間後、網を巻き上げると…。
精一さん「破けているんか!ずーっと破けているんか」
急いで網を交換し、2回目に挑みます。ついにカニが――。越前がにです。港に戻ると息をつく間もなく、家族総出で仕分け作業。
精一さん「言いごたえする前に積めばいいんや」
嘉文さん「腹立つ…」
市場が一年で最も活気づく、初セリ。精一さんの目の前で、カニが高値で競り落とされていきます。ここは、船長の腕が評価される場所。幼い頃から父の背中を見て育った嘉文さん。今日は嘉文さんのハレの日。初めて明かした父への思い…。
嘉文さん「もう一生言わないと思うので、今言っておきます。今までありがとうございました。これからもあなたを目指して、頑張っていきたいと思います」
精一さん「だんだんと(息子に)移行していかないと。嫁さんもらうから、そろそろ変わってくれないとね」
この年の越前がに漁、解禁の日。嘉文さんは初めて、船長の仕事を任されることになりました。父親の船で修業を積んで15年、37歳の船出です。息子に船長の座を譲って、精一さんは、船を下ります。父から受け継いだ操業日誌を携え、出港です。
嘉文さん「巻いてしまえ」
乗組員「入ってる!」
網一杯の越前がにです!そこにはもう、父の姿はありません。
※2018年4月、福井放送で制作したものをリメイク