山に魅せられ、山に生きる 栗駒山の一家

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日テレNEWS24

2008年6月14日、最大震度6強の岩手・宮城内陸地震が発生。
記者「こちらの道路はアスファルトが、粉々に砕かれたような状態になっています」
大地が砕かれ、えぐられた栗駒山も被害にあいました。その山で暮らす塚原さん一家。自然学校に住み込みで、夫婦は職員を務めています。地震から、ちょうど2年経った6月14日。この日しかない、と2人は結婚。
夫・俊也さん「地震があったことを忘れないというのと、結婚は明るい話題かなと思ったのであえてその日に入籍するっていうのは、僕らがここで暮らしていくっていう意味でも意味があるなと思って」
俊也さんは神奈川県の中学校で教師をしていましたが、野外教育を志し、移住してきました。妻の茉衣子さんは地元・宮城県の出身です。家族が暮らすのは、栗駒山の中腹にある、耕英地区。戦後まもなく開拓され、約20年かかって、電気が通りました。
400人が暮らしていましたが、今は70人ほどに…。半数近くは65歳以上です。子育て世代はわずか3世帯で幼稚園も保育園もありません。やんちゃ盛りの長男、健太くんはもうすぐ小学1年生です。麓の小学校までは車で30分かかります。
妻・茉衣子さん「開拓一世の方たちが、厳しい環境に耐えて暮らしてきた場所で、震災があってもへこたれないで、前に進んでいる姿を見て、その姿を少しでも見習ってこの地域で暮らしていけたらいいなという思いですね」
長男・健太君「来て。崖崩れのとこが見えるんだよ。木のないとこ見える?あそこ崖崩れ…、宮城・岩手内陸地震で崩れたとこ」
山に魅せられ、山に生きる、希望をつなぐ新たな世代です。栗駒山の山開きの日。親子で一緒に登ります。
俊也さん「自分も自然の中の一部で生かされているということは、小さいうちに無意識でもいいから、自然に対する畏敬の念とかね、根付いてほしいな。肌で、五感で感じられる環境というのは大事だなと思っているんで」
記者「栗駒山どれくらい好き?」
健太くん「こんぐらい!こんぐらい好き!」
地震から10年以上。山は鮮やかな緑を取り戻し、未来へとつながっていきます。
※2018年8月、ミヤギテレビで制作したものをリメイク